老いぼれの形稽古《22》

 
 
小太刀一本目=その2
 
 受流すと同時に体は右に開き自ずと右足前、左足後ろに引付ける体勢で打太刀の頭部を間髪入れずに打ち砕く。
 小太刀の手の内は小指薬指中指なるは言を俟たぬ。
 打突を確認後、徐に左足大きく退いて上段にて残心姿勢に入る。剣先下がらぬよう要注意。
 なお、私見ながら請流し体を大きく右に開き、更に相手の背後に周る形で後頭部を直撃すれば、謂う処の柳生流「轉」=「まろばし」の極意と相成りはしまいか。
また無住心剣術の「相抜け」の神技と相通じはしまいかと素人目で推察する。
最早、この次元では双方の太刀は交刃も触刃すらすることがないのだという。
 恐れ入るばかりです。