老いのひとこと

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下総の国の住人でいられる加藤剣士より貴重なるご智慧をさずかった。


小太刀の部三本目で仕太刀は残心姿勢を示したのち元の位置に戻る際に左足より動作に入る根拠と云おうか剣の理合いを見事に解説していただいた。


仕太刀はおもむろに左足を退きながらも小太刀の剣尖は打太刀の咽喉に確と付けられている。


その折に万が一にも打太刀に反撃の兆しあらば退いている左足を軸足に右足を前に送って小太刀の剣尖は咽頭部を直撃いたそう。


剣道形の最後の最後にして、予期せぬ事態に備えての細心の配慮が抜かりなく施されていることに気付きました。


若しや、右足から退けば小太刀の剣尖は離れ死んでしまうので相方に反撃の隙を与えてしまうことになろう。


お見事な達見を頂戴いたしました。


 


 


何れにしろ、此の小太刀三本目は双方斬り合うことなく或る意味変則的ながらも「相抜けの技」が成り立ったことになりはしないだろうか。


剣の究極の極意は此処に在りはしまいか。