老いのひとこと

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中越地震で人命救助をしたレスター君が13歳の天寿を全うし天国へ旅だったと新聞は伝えました。


息子夫婦の愛犬バンフ君はもうすぐ12歳の誕生日を迎えるのだという。


バンフには人命救助の功績はない。


強いて上げれば衆人に惜しげもなく癒しの微笑みを振り撒いたことぐらいでしょう。


温和な風貌に加えて天性たる純白の長い毛並みで愛嬌を撒き散らしてくれたのです。


処が、此れ又どうしたことか突然異変が降って湧いてきてしまったのです。


後ろの右足に10月初旬のこと小さなオデキが出来たらしいのだがそれが見る見るうちに腫瘍の部位が膨れ上がり此れ一大事と獣医さんの診断を仰げば即座に癌の宣告を受けてしまったという。


しかも、悪性で進行性の早い病種で既に多臓器に転移していると外科手術も拒まれたというのです。


 


5日の夕刻、とても可愛がって散歩も共にした孫娘を伴い急ぎ見舞った。


実は、突然の急変で孫も知らなかったという。


玄関先の土間に横たわるバンフは好んで此の場所に来るという。


犬なりに室内の汚れを配慮したのか主人の帰りを待ち侘びてかこの場所を離れないのだという。


今日は給餌も受け付けてくれなかったという。


孫には一声吠えて挨拶したが尾っぽは動かなかった。


痛み止めの麻酔薬のせいかその日は動こうとはしなかった。


孫娘はまた来ることを約して土砂降りの中バンフの住処を後にしたのです。


此のバンフは或いはカナデアンロッキーの麓のバンフの街に想いを馳せているのかも知れない。


ハスキー犬の平均寿命は12歳と聞く。


薬石功を奏して奇跡的に生を永らえるかもしれない。


そう祈るしかない。


7日午後5時にバンフは逝ってしまったの一報入る。


息子夫婦に看取られながらバンフは天国に向って全力疾走で勢いよく駆け昇って往ったことになる。