老いのひとこと

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無断掲載

101歳にして未だ現役の報道写真家でいられるという。
笹本恒子の写真展を21世紀美術館でみてきた。
激動の20世紀をフイルムに収めた貴重な記録の宝庫そのものでした。
数百枚に及ばんとするその夥しさに圧倒され、館内の熱気も手伝い目元足元がくらくらした。
多くの文人や芸術家、スポーツ家などの著名人だけではなく名もなき庶民も被写体とし分け隔てなどどこにもない。
三池闘争や60年安保にも目を向け核心に迫る場面をしっかり捉えられていたのだがさすが9・17のシールズたちの劇的な大うねりのシーンはなかった。
少なくとも巨大な勢力とか権力者におもねる気風は何処にもなくさっぱりしていて気持ちがいい。
一番面白かったのは室生犀星がカメラに収まる際に真夏の最中和装に外套をはおり黒足袋を履いておまけに雨傘を持ってポーズを執られたのだという。
吹き出しそうになるのを堪えてシャッターを押したのだと壊述されていた。
大文豪と云えどもとても茶目っ気があったのでしょう、あるいは糞真面目にもてなしの気持ちを精一杯表わさんと出来る限りの正装に気を使われたのかもしれません。
ただ、もの凄いユーモアをいただきました。
100歳を超えるお歳でラジオ体操は欠かさないらしい。
晩酌にはワインを傾けお肉をいただくらしい。
食事は手作り全部自分でまかなうらしい。
これぞ長寿の秘訣に違いない。