老いぼれの弓事始め《17》

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⑮ 9月6日道場へ赴く。愛犬の看病から最期を見届ける間しばしの疎遠であった。
 相変わらず、巻き藁の前に立ちもっぱら基本に終始する。
 気取ることなく伝授された基本技を念頭に只々繰り返すのみ。
 わたしの性分からして、勿体ぶったり益してや知ったかぶりは最も忌み嫌うところである。
 鏡の前の自分が寸分違わず真っ直ぐに立ち射法に入ったが、後ろから声が掛かる。
 体がねじれいる、重心が総体の中心から完全に外れているとの鋭い忠告である。
 一番嫌うところの知ったかぶり丸出しのわたしの姿が、後方の先生方の目にはありありと映っていたことになる。
 とても恥ずかしくも感じたが半面これほど温かき戒めの言葉はないことに気付いた。
 また、鏡を前に巻き藁をただ漠然と機械的に射ても意味がなかろう。
 何がしらの課題を想定し、その課題克服に焦点を絞りなさいとのご指摘を得た。
 「離」の手の内が無骨すぎると丹念なご指導を得た。
 更には、脳天から肛門までの心棒を意識しなさい。
 両足のライン、両腰のラインと両肩のラインは決してぶれることなく微動だにさせてはいけないと厳しきお言葉もいただいた。
 本日は御三方の緒先生方から厳しくも温かきご指導を頂戴した。