老いぼれの弓事始め《23》

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101日台風一過とはゆかず土砂降りの中出向く。
いつものように黙然と巻き藁を打つ。
細心の注意を払って課題克服に当るのだが、わたしの矢は一直線に飛び垂直に吸い込まれることがない。
確かに傾き加減は多少是正されたのだが依然としてやや右に傾くのである。
試行錯誤を繰り返すのだが学習効果が見えないのです。
日当番の伊関老師に恐る恐る声を掛けてみた。
わたしの射法を一瞥して、先生はあなたの体力が弓力に負けている。
弓が強すぎるので、これで射て見なさいと9.5Kを当てがわれた。
わたしには13Kを引く能力が未だ付いていないのだと断言された。
意気消沈しなかったと云えばウソになろう。
無力さをまざまざを見た。非力にしょげ返った。
ところが9.5Kは事もなく難なく引ける。
引けるだけではなく見事巻き藁へ垂直に打ち込めた。
老師の言が的中した。
さすが弓の名士なりと感服した次第なのです。