老いぼれ教師の回想記《106》

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その五  挑戦と試練挫折の河北台(続)
 
雑感=その7
内灘砂丘に延々とニセアカシアの樹林が広がる。
甘い安らぎの香りに魅せられたり癒しされたりもした。
ただ和名をはりえんじゅ=針槐樹と書き表すらしい。
まさにわれは此の針のような棘で竹箆返しを受けたも同然である。
 
 
超一級のシベリア寒気団が居座り強烈な西高東低の気圧配置は、その日この学校を直撃した。
私は通勤の途中にあった。渋滞を見越して六時過ぎに家をでた。
路面の凍結で八号線は身動きができぬ状態だ。内灘会館横の急坂を避けて田中交差点を左折して農道で宇ノ気を目指したことが間違いであった。
間もなくして烈風を伴った横殴りの吹雪と化した。
北西の季節風が台風並みに発達し、地吹雪が完全に視界を遮った。
ワイパーをふるに稼動させても前方が見えない。
前の車のテールランプすら眼に入らない。運転不能に陥り立ち往生に到る。
北陸特有の湿雪が気温の急降下でブリザードに変じた。
降り積もった粉雪が吹き飛ばされ車体に凍りつき横転しかねない程に揺さぶり続けた。前線の通過まで小半時大自然の脅威に弄ばれた。  
この日は休校同然であったことを思い出すのである。
これも、この学校にまつわる忘れ難き出来事であった
 これも試練の一齣に違いない。