老いぼれの中国紀行《10》

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中国紀行
 
⑩ この中華人民共和国共産主義なる甲冑に身を包んだ押しも押されもしない強大な実力を擁する資本主義国家に生まれ変わって久しい。
党是たる平等思想はかなぐり捨て貧富の格差を公然とした。
 
考えてみれば万里の長城然り、兵馬俑坑も然り、故宮これまた然りで、この国にはとおの昔から勝ち組負け組みの格差の構造が間違いなくあった。
それが当たり前のこととして存在し決して違和感を感じさせない風土があった。

 両者が渾然一体となって織り成す綾があった。 
考えてみれば離合集散を繰り返した中国王朝の歴史も相対立し矛盾する事柄を、民族や宗教をも呑み込みこんだ強引な手法で強大な権力と強圧的な軍事力で鎮圧し不思議に融合し調和を保ってきたのだと言えまいか。

 貧富の格差に表われる負け組と勝ち組との分断と内包する矛盾を、今次大戦で我が帝国主義と対峙した中で毛沢東はものの見事に勝利した。
植民地拡張政策に狂信する軍国日本を粉砕するに至った。
階級闘争の勝利に続き農民・労働者無産階級が主権を握り一党独裁に基づく社会主義国家たる中華人民共和国を威風堂々と樹立したのだが・・・・