老いぼれの愛犬日記《18》

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⑱ 鼻を鳴らす習性
この犬は散歩中好き勝手に自分の好むところへ身を寄せて道草を食うヤツだった。
 捨て犬だったが故、躾け不十分で仕方がないと思いつつも、ついついリりの行動を制御して自由を奪ったりした。
 犬の手綱をリードというが本当はリーシュというらしい。
 このリーシュを無理やり引っ張ってリりの自由を束縛した。
 するとわが愛犬リり殿は、何を思ったか「フーン」と大きく鼻を鳴らして不平不満の意思表示を仕上がるのだ。
 此のふて腐れる態度に、犬様のくせに何事かと更に引っ張ると再び「フン」を鼻を鳴らすのです。
 わたしは直ちに犬の表情を観察するのだが別段悪意はなさそうだしいつもの素直な顔でわたしを見上げてくれる。
 偉そうに「フン」と鼻を鳴らすのだが、どうも「はい分かりました。すみません」とでも話すイヌ独特の犬語であったのかも知れない。
 りりよ、大変済まないことをした、許してほしいよ。