老いぼれの愛犬日記《22》

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                 母なる大地での最後の寛ぎ
 
㉒道行く人に
2怒鳴り散らすひと
イヌも感情の動物だ。散歩を少々怠ったり、故もなく叱責したり冷たくあしらったりするとイヌなりにストレスとして受け入れ苛立ちの感情を露わにする。
道行く人に吠えたりした。イヌ仲間にもものすごい剣幕で当り散らした。
連結されたチェーンとその先に結わいだリードを引っ張るように身を乗り出して道行く人に吠え捲くったりした。
車庫の物陰から行き成り獣のような物体が飛び出すのだから誰しも身を翻して仰け反るのです。
さらに、激しい怒りに似た咆哮なので余程沈着冷静なお方でない限り驚き飛び退けましょう。
お若き女性はキャーと悲鳴を発する。犬の鳴き声に勝るとも劣らぬ大変仰々しい叫び声だ。
イヌの方が逆に驚きびっくりしそうだ。
片や、厳つい男性の極々一部のお方ではあるが、吠えつくイヌに激怒し喰って掛かる。
 立派な男の分際でありながら高がイヌ一匹に対し目くじらを立てて吠え捲くる。
 少なくとも人間様がイヌ畜生に対し本心から噛み付いている姿は滑稽だし珍奇な現象だった。
 その紳士然としたホワイトカラーの若きお兄さんに憐れみすら覚える。
 人間、表面 (づら)
 その天下一品の咆哮の主として君臨したわが愛犬もこの世には居ない。