うらなりの記《112》

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⑱楽しかるべき青春時代にエネルギーを爆発させ高校生活を賛美し謳歌すべきにもかからわず、なぜ私だけが然るべき惨憺たる負の負い目を負わねばならなかったのか、母はいつも我が事のように私の傍にいて一緒に思い悩み苦しんでくれた。
 
そういう母であった。
何の取り柄もない根暗でおどおどしたひねくれ者のこの私の常に味方になってくれた。
何時とはなしに、中学時代の親友とも疎遠となった。
エリート校らしく英才教育に徹するあまりに著しく落ちこぼれ感にあおられた。
周りの連中がみな颯爽としていた。
大らかで屈託なく健康そうに笑っていた。
わたしは必要以上におのれを卑下し、ただただ打ちひしがれるだけだった。