老いぼれのタイ行き《12》

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タイ国ツアーに参加して=その12
 
 この国に来て是非拝見したかったものの一つがお坊さんたちの托鉢姿でした。
 処がお坊さんたちにはお目に掛かるのだが、どうしたことか托鉢されるお姿がない。
 ノイさんに窺がってみれば早朝でなければ適わない事を知らされ納得した。
 今回は、さすがに明けやらぬ時刻に目覚める事かなわず諦めることにした。
 タイ国の人たちは老いも若きも男女を問わずみなさん両手を合わせ実に穏やかな眼差しで挨拶をなされる。
 微笑ましくこころ和む光景である。
 お国柄とはいえこれ程得難い風習はない。
 国家の誇りであり精神的財産に他ならない。
 民衆はお坊さんに食物やお花を供物として進呈し、そして尚且つお坊さんにわたし如きものの御供え物をよくぞ受け取った頂きましたと、その感謝の気持ちを表わさんと合掌をなされるのだという。
 この辺りが何とも心憎い。
 施し物を受けた方ではなく逆に提供した方が感謝の礼を為す。
 実に見上げたことではありませんか。
 ご立派です。見習うべきだと思います。