老いぼれの独り言

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実にくだらないことに拘っている。
雨が降らない限りママチャリを駈って額谷から四十万越えを日課とす。
あの程ないあの程度の登り坂をギア2で駆け上る。
容赦ない向かい風の日にはギア1に落とす。
平静を装うが、やっぱりえらいこっちゃキツイきつい。
所詮人生とて同じ、重いペタルを踏むが如く果てしなく坂道を行かねばならない。
そんな時、後ろから疾走する大型重量車両が地響きを立てながら急き立てるように追い越してゆく。
そんな中、けたたましきエンジン音をセーブしアクセルペタルを柔らかく踏んでわたしを追い抜く車輌に気が付く。
繊細な感覚で其の音量を肌でキャッチするのです。
“ご老体、ごせっかく頑張りなはれ”という気遣いの配慮を敏感に捉えるのです。
たかが、車両のエンジン音にすら心が動く。
時には振幅の幅大きく揺れ動く。
何と情けない。
何と愚かなりし事か。
何と器のちっぽけな存在なのか。
自分が嫌になる。
情けない。
有心だから心が動くのだ。
無心にならなくちゃなるまい。
無心なら心がないのだから動く心がない。
わたしは、未だ武道に執り付く資格がない。
オイゲン・ヘリゲル氏はしかと
会得なされた。
にもかからわず、このわたしはこの齢で未だ手に入れていない。
 やはり、凡人には敵わぬことなのだろうか。
嗚呼、情けない。
恥ずかしい。
修行が足りない。