老いぼれの独り言

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そもそも「高橋川愛扇会」は此の河川敷改修工事に際しどのような見解をお示しになられたのかわたしは覗い知らない。
難しい判断であろうことは察しが付く。
中州に繁茂する植物群は掛け替えのないグリーンベルト地帯であった。
と同時に、夥しい数のカルガモたちのねぐらでもあったし掛け替えのない安住の地でもあった。
わたしはあの時の光景を今以って忘れることはない。
中州と云う中州から一切の緑色が一掃された数日後にわたしが目撃した光景です。
高橋川に隣接する収穫前の水田に彼らは仮設住居を求めたのです。
水田の黄金色の稲穂が真っ黒になっていた。
惜しみらくはデジカメ不携帯でシャッターチャンスを逃している。
 
犇めくようにカルガモたちは稲穂の上に身を寄せ合っていたのです。
口をもぐもぐさせながらがあがあがやがや呻吟していた。
そして、無心に稲穂を啄ばんでいた。
水田は無惨な姿に変わり果てた。
年老いし農夫のご夫婦は慈悲深きお方たちであった。
”しかたがあるべい”と一言申されただけであった。
当局へ補償を申し出るかと尋ねたが、やはり”しかたがない”と申されただけであった。
全てを達観なされた素晴らしき善人で在られた。
それ以降、カルガモたちの数は目に見えて激減した。
いずこを彷徨っておるのでしょうか。