老いぼれの独り言

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鷺のような悠然と佇む孤高の鳥もいれば、むら雀のように個性を埋没させた鳥もいる。
でも囀りを聞けば身もこころも和み安らぎ、一様にみなから愛でちぎられる。
 ところがあの真っ黒で巧みの業師できこえ、又狡猾すぎる立ち居振る舞いで要領のいいのがいる。
 あれだけはどうしても苦手だ。
 先日少々怖い目にあった。
 むかし、わたしの生家のあった
池田町界隈を自転車で通り過ぎたときでした。
 音もなく頭上に殺気を感じた。
 不思議な空気の振動のような揺れを感じ取った途端に振り向くいとまなくわたしの後頭部に生暖かい物体が相当の衝撃で撥ね返った。
 その瞬間、羽ばたき飛び立つ巨大な黒い物体が目に入り、双方の視線が合った。
 鋭く極めて険悪な目線であった。
 その時は明らかに殺気を感じた。
 睨み返した時、背後より二度目の衝撃を感じた。
 チクリと爪か口ばしの直撃であった。
 わたしは本能的に防禦体勢を意識したが何もない。
 自転車を持ち上げて頭上に掲げようとしたが所詮無理だ。
 三度目の襲撃の後でした、雨傘を差した御仁が走り寄って排斥してくれたので事無きを得た。
 路上に落下したヒナへの彼らなりの復讐であった。
 子を守る親鳥たちの本能的必殺技を目の当たりにしたのです。
 
 むかし、ヒチコックの「鳥」と云う名の映画があった事を思い出した。
  
 その日は入梅前の好天の日でした。