敗者の条件≪6≫

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五つ目の戒文は
 
【敗者は自分で言い訳をして不可能であると先に壁を作っている】とある。
 
米国の学校で高等教育を目指す若者が少なくなったらしい。
それに引き換え中国からの留学生が激増しているらしい。
詳細なデーターはないが日本の若者層の留学離れが顕著らしい。
つまりこの内向き志向の要因を今詮索してみても仕様がないのだが、両国のお国の事情からして歴然としている。
世界第二位であった経済大国の地位を譲ったばかりではなく彼の国は早晩米国をも凌駕しトップの地位に躍り出んばかりの日の出の勢いを誇示しているのです。
 
言い訳をして弱音を吐き女々しく弁解のみに終始する。
戦わずして、敗北すること自体に恐れおののいている。
まさに四病に侵されわなわなと震えている。
身の心も氷のように畏縮してしまった。
戦う以前にして完敗だ。
此れをば氷解し反転攻勢に転ずるには如何なる戦術があろうことか。
勿体ぶるのは怪しからん事だが、彼の空也上人の詠んだという、
『山川の末に流るる橡殻 (ぬぎがら )
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあり』
が思い浮かぶ。
彼我 (ひが )共に死ぬることが怖い、その時敵より先に死ぬる覚悟を定めて敵の (やいば )の真下にわが身を (さら )け出す。
もうこれしかない。
『相打ち』にもってゆくしかない。
下手をすれば共倒れの危惧もあろうが生き延びるにはこれしかないのだと多くの剣客たちは『相打ち』の技を賛美した。
処が針谷夕雲は『相打ち』は畜生の技であり人間の為す事ではないと否定し去り、其の上に『相抜け』の技を弟子一雲と共に確立したのでした。