老いぼれの独り言

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掛かり付けの歯医者さんから定期検診を上手に促す葉書きが舞い込む。
歯ぐきと歯周を点検しついでに大掃除をいたしましょうという。
此れ決してサービスではなく当然それ相応の対価を請求されるのです。
嫌味なくセンスの好い販売促進策だと感心する。
そもそも歯医者さんは歯が痛くて耐えられずに飛び込むところと心得ていたのだが
痛くもないのに顔を出すのは少々照れくさい。
 早速、歯周診断が施され毎食後三度の歯磨きを励行しているにもかからわず磨き残しが60%もあると宣告され、しかも前回に比べ歯周ポケットが深くなりぐらつきもあり病状が進化しているとショッキングな言葉が次から次へと繰り出されたではありませんか。
 治療を兼ねて只今より歯垢と歯石の除去のため麻酔薬を処置しますと一瞬口中が感電したかの激痛が走った。
 麻酔を注射する為に前段に施す処置にしたらいささか乱暴だ。
 医師は”痛かったですか“”全身の力を抜いて楽にしていなさい“と指示しながらも拷問のような処置が延々とつづいたのでした。
 看護婦さんは額の油汗を拭いてくれたのでした。
 今日は下顎の右半分、次回以降当分の間
この鬱陶しい「魔の手」を受け入れざるを得ないのです。
 しかし、よくよく考えて見ればこの歯医者さんは患者の歯が丈夫で長持ちするように処置なさっている。
 患者の歯が丈夫になれば医者が要らなくなるではないか。
 実に健気な徳行篤き医師に違いない。
 かけがい無きわが自前の持ち歯が一本たりとも脱落させまいと医業に専念なされる。
 「魔の手」なんてとんでもない「救いの手」「女神の手」を甘受いたさねばならいのです。
 痛ければ痛いほど感謝致さねばならないのです。