老いぼれの独り言

イメージ 1
 
 
ラジオ体操の会場にある藤棚の下で異様なものを見つけた。
石造りの丸テーブルの上に焼き栗の殻の欠片と桜の落ち葉に行儀よく栗の実の小さな欠片を六個整然と並べてある。
此の公園に遊びに来た幼児がオヤツの焼き栗をこんな形で残して行ったのだろうか。
大人が同伴すれば帰り際に気付き後片づけは為したであろうし、あれやこれやと詰まらぬ取るに足らないことに思いを巡らせたのでした。
恐らく幼女たちのママゴト遊びの痕跡だろう・・・
いや、或いはひょっとして最近はよく年若きカップル、中学生が制服姿のまま白昼堂々と青春を謳歌している。
一枚の落ち葉の上に六つの物体は一体何を意味するのだろうか。
実にクダラナイ、こんな詮索を試みたとてナンセンスと思いつつも妄想邪推は尽きようとしない。
未知なる大海原へ小舟に乗って如何なる目的を以って漕ぎ出したのだろうか。
固体が六つあるのは何を意味するのだろうか。
行く当て知らない若者独特の揺れ動く心情をこの図柄は無言で物語っているのだろうか。
時を持て余し為すこと知らない年寄りはやんごとない事に思いを巡らすだけなのです。
幸か不幸かその場にはタバコの吸い殻ごとき代物は間違いなく存在しなかった。
 
 わたしは帰り際にこの謎めいたシグナルを無情にも取り払い後片付してしまったのです。