老いぼれの独り言

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何時の間にかラジオ体操が日課になってしまった。
雨が降らない限りは日参いたすことをおのれに課しているのです。
その行き帰りに、それはそれは見事に整地された一枚の家庭菜園の前を通り過ぎるのです。
何せ、雑草の類いが見えない。
目を凝らして余計な草を捜すがまったくない。
そして、この農園のご主人がそれはまた実にハイカラなお方なのです。
五十年配と思しき初老の方だが農作業に素敵なサスペンダー姿なのだ。
各種各様の野菜類を丹精込めて栽培なされるのだがその中にひと際風変わりな植物があるのです。
気に懸って仕様がないのである日思い切って尋ねてみた。
好紳士らしくにこやかに応対してくれたのです。
あの南国特産のパパイヤの木だという。
半信半疑の思ひで試作してみたが都合よく根付いたのだという。
そこでわたしは恰も思いついたように「写真を撮らせていただけませんか」と問いかけた。
ところがその瞬間この素敵な農夫のお方のお顔が少し強張ったように見えた。
怪訝そうなお顔つきのようにも覗えた。
そこでわたしは繰り返すように今度お天気の良い日にデジカメで写真を一枚撮らせていただけませんでしょうかと念を押した。
当然快諾のサイン、素敵な笑顔で頷いていただいたのです。
多分一度目には「写真の発音が不明瞭で聞き取れなかったらしくどうもパパイヤを
採らせてほしい」と勘違いなされたようなのです。
 手塩にかけた果実を他人に採られたら愉快ではありません。
 盗られるも同然ですからなおの事です。
 
 お口を大きく開けて歯切れよく、言語を明瞭にしてコミュニケーションを交わさねばなるまい。
 先日、またひとつ齢を重ねてしまいました。