老いぼれの犬日記《31》

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 愛犬への思いは大分遠のいてしまった。
でも今以って愛犬の死を悼む気持ちが理由も無くふと湧きいずるときがある。
いや、むしろわたしの為した行為が愛犬の死を急がせる直接的原因なのだという自責の念に居ても立ってもいれない気持ちになるのです。
「後悔先に立たず」を地で行く愚にもつかない話なのだ。
思い出すほどに、わたしは毎朝連日シラス干しを振り掛けた納豆に食酢を注ぎ愛犬の食餌に必ずや分け与えた。
共に舌鼓を打ったことまでは良としても
愚かにもわたしは更に玄米飯に味噌汁、其の上事もあろうにヨーグルトに黄な粉、青ノリ、にんにく黄卵、高麗人参の粉末を混ぜ込み少量ではあるが分け与えたのでした。
 おまけに、ほうじ茶の茶葉まで与えていたのです。
 愛犬の死因は飼い主に在ったのです。
 本意ではないにしろ、殺人的暴挙と愚挙を仕出かしていたのです。
 ニンニクや高麗ニンジンと茶葉はごくごく微量とは言え明らかに遠因となり引き金を引いたことだろう。
 滋養ある活力源どころか全く正反対の結果を来たしたこと返す返すも悔やんでも悔やみ切れない重い思いなのです。
 今此処に誰にも言えなかった秘める犯罪行為を告白し衷心より懺悔する。
 「りり」よ赦したもう!
 
 
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