老いぼれの独り言

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                                   古い地図帳にもウミネコ繁殖地とある
 
仙台からは主に一般道を通って三陸海岸沿いを北上し陸前高田まで至った。
せめて釜石までは入りたかったが日程上割愛せざるを得ない。
三陸鉄道に試乗することも垂涎の的ではあったが此れとて明らかに断念せざるを得ない事情があった。
海沿いに曲がりくねった道を走行するが恰も能登半島を走るが如し。
何れ劣らぬ風光明媚な海岸線ではあるが元より根本的に異質な光景が目に飛び込むのです。
まことにダンプカーが目につく、まさにダンプ街道そのものだ。
なるほど、無尽蔵に近い瓦礫の集積とその撤去に当然の事としてダンプカーが全面的に機能しただろう。
ところが、よくよく目を凝らせば今以って瓦礫の山を散見できるもののその多くは姿を消してしまった。
夏草にその姿を大部分隠して小山に見間違える光景もあった。
あの直後に石巻ボランチアに入った息子に言わせればこの現況には雲泥の差でありその瓦礫処理のスピードと成果は驚異に値すると舌を捲く。
ホテル観洋主催の復興ツアーで若き語り部さんが申されるにはかつての市街地には津波の残骸が除去されし跡地に4メートルから10メートルに達する盛り土で嵩上げを鋭意施行中なのだと説明された。
地盤沈下著しい個所のみならず平地全域にわたって盛り土で被いかぶせるらしい。
気が遠くなりそうな遠大なる構想だ。
ダンプ街道たる由縁が納得できた。
ダンプがもっと欲しい、盛り土用の残土がもっともっと欲しいのだと語り部は強調された。
因みに、帰ってからネットで南三陸町の行政組織を開いてみれば人口15000人足らずの町政の中に企画課、産業振興課、環境対策課、危機管理課、復興事業推進課、復興用地課、復興市街地整備課、建設課と8つの部署が犇めき復興への並々ならぬ本気度が窺い知れた。
いみじくも、此の若き語り部さんは最後の言葉を次のように締めくくられた。
観光は光りを観るとも読める。
此の南三陸町は必ずや見事な変貌を遂げ光り輝く観光の街としての元の姿を取り戻しましょう。
その光を観に是非当町へお越しくださいと胸を張って申されました。
立派なホテル営業マンであり、語り部さんでありと同時に立派な南三陸町の町民であることがよく理解できた。
参加してよかった。
とても気持よかった。