老いのひとこと

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教室生の中で最古参はどうもわたしらしい。
奥方たちを含めてみな赫灼たる存在ばかりだ。
みな意欲満々実にてきぱきと事に当たり処して行かれる。
脂の乗り切った壮年たちに伍して対等に組していくにはうかうか出来っこない。
マイペースにてちょいとのんびり構えた途端アッと云う瞬く間に置いてきぼりを食わされてしまったではないか。
野焼にくべる骨甕の細工が捗々しくいかない。
唯一見劣り著しい我が作品に入念に手を入れ制作意欲に燃えている最中に片や外の人たちは既にお「皿」の制作も終え悠然と次なるステップに挑戦されるのだ。
齢のせいにはしたくはない。
況してや、落ちこぼれ族にはなりたくはありません。
真っ平御免なのです。
わたしはヤケクソ気味に電光石火の早業にて「皿」の制作に取り掛かり、無我夢中で一丁上がり一枚のお皿を見事完成させたのです。
エアコンの効いた作業場ではあったがわたしは全身汗みどろでありました。
窮地に陥ったわたしをおもんぱかってお隣さんは無言で肩入れをして呉れました。
また、講師の先生からも格別の手助けを戴きました事は言を俟たない。
何はともあれホット胸を撫で下ろしました。