老いのひとこと

イメージ 1
 
 
 
此の自作の縄文土器に惚れ惚れする。
確かに崩壊寸前ではあるが辛うじて原形を留めているではないか。
圧し掛かった不運な運命に精一杯抗して活きる気概を懸命に示す姿がとても素晴らしいではないか。
此の立派過ぎる出来具合を見れば見る程見飽きることがないのです。
特に此のひび割れの妙は二度と創ろうと為しても創り得まい。
横じまの線に交わる垂直に伸びたひびの入り様は浅からず深からず見事な造形美を演出しているではないか。
器の表面は炭化の程度により微妙な濃淡を表現しそれがバランスよく配置されているところは本当に憎たらしいくらい素晴らしいではないか。
 
それにしても、誰からも何らの評価もないので手前味噌ながら自画自賛を為すしか手がないのであります。
 
いずれにしろ此の品は、あくまでも衆目に晒す代物では決して在りません。
やがて間もなくして何れの御時にか、此のわたくし自身の分身の一部分が入定いたすことになっておりますのです。
確かに少々狭苦しいが何よりも風通しが良いのが大いに結構なことなのです。
況してや、此の隙間から時たま下界のようすを垣間見ることもできるので退屈することもないのであります。
此の際『野焼き』に出品する機会を戴きましことはわが一生の道程に於いて最良のクリーンヒットを放った快挙と云えるのです。             謝謝