老いのひとこと

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どこまでも澄みきった秋の空、山あいのひんやりした乾いた風が頬を撫でる。
 御廟谷まで足を延ばしたくなる絶好の秋の好日ではあったが何時ものように体育館の敷居を跨いでしまっていた。
 今日はいつもの常連さんの姿がない。
 解き放された全開の扉からふんだんに秋の日差しが降り注ぎ秋の風が疾う疾うと通り抜ける。
 皆主席を誇る板宮さんご夫婦の打ち合うラリーの心地よい球の音が館内に響き渡る。
 高校生らしき長身の若者がひとりバスケのドリブルに打ち興じている。
 勢いよくバウンドするボールの奏でるごう音が時折り静かな館内に轟き渡る。
 中学生らしき女の子がリズムダンスのような新体操のようにもみえる床運動をひとりで黙々と熟している。
 逆立ちしたり宙返りしたり後ろ向きに倒立したり回転したり忙しなく立ち居振る舞っている。
 付き添いのお母さんが傍らでCDカセットを操作している。
 ボリュームを絞って周囲に配慮している様子がよく分かる。
 少し間を置いて、小学生の女の子がお母さんを伴ってバスケットボールの練習を始めた。
 若きお母さんは娘さんと一緒に打ち興じている。
 特訓を施しているようにも見えた。
 微笑ましい光景に映った。
 その横でわたしは何時ものメニューを淡々と終えたのでした。
 今日の額谷の郷は静閑な秋の雰囲気にすっぽりと包まれていた。 
 余分な雑音は一切シャットアウトされたように感じた。
 みな真摯に自分の種目に取り組み没頭されていた。
 そして、みなそれぞれスポーツマンシップに則りスポーツマンらしいマナーに徹した素晴らしき快適な一時を互いに体得し合ったのでした。
 今日は秋分の日でした。
こころも晴れ晴れとしたいい日でした。