老いのひとこと

イメージ 1
 
 
 
先日のことわたしの戸籍謄本を請求し文字面につらつら目を遣れば何んと驚くなかれ我が長男の名が空白のまま欠落しているではないか。
空欄どころか影も姿もなく消え失せて何もないのです。
家内の名の直ぐ後に次男の名が続き3男の名もちゃんと記されている。
我が長男はわたしに何ら一言の断わりもなく吾が戸籍を忌避し抜け出したと直感した。
わが息子は、そんな不埒なヤツではなかったはずだ。
斯くも非情で無責任な人間に育てたはずもない。
苛立つ思いは収まるはずがない。
さっそく電話にて苦言を呈してみたのだが息子にはこちらの心情が全然伝わろうとはしないのだ。
パスポートの更新手続きの折にも戸籍発行を申請したが本籍地はむかしのまま若草町であったという。
ともかく、自分から戸籍を動かす手続きを為した覚えはまったくないという。
早速、その翌日には息子を伴って額支所へ赴き此の長男名義の復元方を願い出た次第なのです。
処が応対なされた係官は開口一番まるで一笑に付すようにこちらの願いを却下された。
即ち長男の名前をわたしの謄本上に再記載し直すことは最早不可能なのだという。
おもむろにその間の経緯を次のように説明なされたのです。
平成11年度より施行された改正戸籍法によりデーター処理が電算化されて従来の肉筆様式はなくなったのだという。
併せて、平成11年以前に婚姻届を出して除籍された分は此の際の戸籍謄本上には記載されないのが通常なのだと解説なされたのでした。
これにて息子も納得したし元よりわたしも大いに安堵いたした次第なのです。
次男と三男は平成11年以降の除籍なので記載されていて何ら不自然ではないのだという。
それにしても、戸籍法が改正され電算化が進み簡便化される中、片や一方家族間の繋がり取り分け親と子の絆までもが疎外されてしまったのではなかろうか。
家の制度がなくなり親子の連繋まで分断されるようだと益々日本国の将来が懸念されて仕方がないのです。