老いのひとこと

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先日のこと、大手中央紙「産経新聞」系列のとある広告代理店から電話が入った。
 随分むかしに此のわたしが作った「剣道はすごいぞ」を産経新聞の特集記事『真実一路 この道に生きる 日本人の精神を求めて』にて紹介させてほしいのだという。
 国会図書館の蔵書から捜しだし閲覧させて貰ったのだという。
 この際のテーマに適っているので是非推挙したいのだとおっしゃる。
 わたしが涎を流して物欲しげにでもしていた訳では決してない。
 飛んでもない、そんな素振は微塵たりとも為した覚えはない。
 しかし、その電話の主のお声はまるで寝た子が叩き起こされたようにわたしの功名心に火が付けられ揺れ動かされてしまったのです。
 というより、わたしの駄作が或る意味全く見ず知らずの第三者より評価されたことに相成るのです。
 それも並々ならぬ高貴なところからの発信であったので猶のこと正直嬉しかった。
 作品の要旨を200字程度にまとめて期日一杯に送付しなさいという。
 決断するには至らないまでも躊躇っていると家内からは甘い話の裏には何かがあるのではとえらく気にしている。
 よくよく熟慮の末、わたしは断念することに決めました。
 余生幾ばくとてないものが今僅かばかりの功名を手に入れたところで所詮虚しいばかりではないか。
 返って此の世に未練を残してしまいましょう。
 予期せぬ他人様からいただいた身に余る此の評価を明日からのわたくしの歩みに活かしてゆければそれで良い事ではないか。