老いのひとこと

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先日は二回目の窯当番を担当した。
 今回は本焼きの午後の部であったのだが此の「本焼き午後の部」は大層なる大役であることを後で知ることになる。
 初級、上級夫々二名づつ四人が事に当たる。
 電気窯はすべてコンピューター制御下にある。
 ステップ数値と温度が表示され点滅している。
 人の技が入る余地は全くない、数値との睨みっこあるのみなのです。
 ステップ3に14時40分に切り替わり温度は1057度をさす。
 その時点の目標値は1150度で温度上昇が捗々しくないのです。
 15時55分にステップ4に切り替わり温度1135度、目標値1230度には程遠い。
 17時になっても1207度にしか達しない。
 上級者の先輩たちはこんなに遅いのは前例がなさそうだとさかんにいう。
 18時を覚悟で待機いたせば17時半過ぎころに
警備の方が窯の処置はこちらでするのでどうぞお引き取り下さいとようやく解放された。
 何もせずに只ひたすら窯が燃焼しつづけることを確認しながら心棒強く待機する。
 これこそが陶芸人になるための試練でありましょう。
 これに耐え切れなければ陶芸界から淘汰されるだけではないか。
 産みの苦しみを共有し共に苦しむことが陶芸人になるための必修条件であることを知った。
 「本焼き午後の部」が大変なことが分かると同時に大役でもあることを知らされたのでした。
 お蔭でわたくしのタタラ造りの花器制作は順調に捗り何とか仕上がりました。