老いのひとこと

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無断掲載
 
 
 郷土が誇る偉大なる剣士中山博道範士のことは愚かしくも何も知らなかった。
 お名前こそ畏敬の念を抱きながらも聞いてはいたが名前以外何も知らなかった。
 ところが今、空手家中山正敏先生と並び称される同姓の中山博道範士が後世に残す訓示の言葉をさがす内に富山県下の居合道愛好者の集い「無涯熟」に出会い貴重なる資料に接することができたのです。
 不勉強のものが烏滸がましい限りなのだが間違いなく中山博道先生は針谷夕雲と小出切一雲の存在を熟知なされ「無住心剣術」に傾倒為されていたに違いないと確信致したのです。
 わたしは、そのように確信致すのです。
 中山博道範士の素晴らしき絶品の道場訓を「無涯熟」の方々には無断で掲載する無礼をお許し下さい。
 
 
剣道十二か条・中山博道範士
 
1条・剣道者は己を知り、他を知らねばならぬ。自分のみを知って他を知らざれば必勝得難く、他の欠点のみ知って己の欠点を知らぬは敗を取る基である
2条・上手に習ひ、下手に学ぶ事肝要也。弟子もまた師也とは名言である
3条・剣道は心と心の勝負である。心の工夫鍛錬であるから技の能、不能は方便である
4条・極意とは道の極致である。
即ち目標・理想であるから、剣の極意とは理想であって真の人間となることである
5条・以心伝心とは、言葉に表し得ざる体験であって、其の体験の分量が同じ程度になって始めて、
彼我の心が相照らし応ずる精神作用を言うのである
6条・真の芸術とは手技を離れて心術に到達することである
7条・剣道の極致は彼我合和して全一となる事である。かくてこそ勝敗の念なく和平に帰し「真如境界」[真如=永久不変絶対の真理] [境界=果報として各自に定められた境遇・身の上]
8条・撃たるるは迷ふからである。
撃たんと思ふも迷ひである。
平然たる時真の勝を生ずるものである。
迷わずして撃たるるは死物也 [死物=役に立たないもの]
9条・勝は己の力に有らずして、敵に障りがあるからである。
負くるは敵強きに非ず、己に障りがあるからである
10 条・勝敗の念を離れて始めて勝敗を感じ得るもので、故に敵に勝つことを忘れて、勝自ら生じるものである
11 条・修業は無限也。先輩に追い付くは易く、後輩に追いつかられざるは、難中の難也至言也 [至言=この上なく言い当てている言葉]
12 条・道、極意に達するには何者に対しても親切であらねばならぬ。生あるもの、生なきもの、人間同士は勿論、動物植物、我が身○の器物にまでも親切心に満ち満ちたる時、身辺皆味方になるものである。
        以上 無涯熟資料より
 
 
 
剣道十二か条
1条           剣道者は自分の欠点を知りつくし改めるように努めねばならない。
2条           剣道者は上手に習い下手に学ぶように心掛けねばならない。
3条           剣道者は技はもとより心の鍛錬に努めることが大事である。
4条           剣道者は真の人間となることを目標としなければならない。
5条           剣道者は彼我の心が以心伝心するように心の鍛錬に努めねばならない。
6条           剣道者は手技を離れ心術に到達できるように真の芸術を目指さねばならない。
7条           剣道者は彼我合和して全一となり勝敗の念なく和平に帰すように努めねばならない。
8条           剣道者は何も思はず迷わず平然たる心をつくらねばならない。
9条           剣道者は勝つのは自分が強いのではなく敵に弱点があるからであり敗けるのは敵が強いのではなく自分に弱点があるからだと知らねばならない。
10条     剣道者は敵に勝つことを忘れて無心になればおのずと勝ちが生ずることに気付かねばならない。
11条     剣道者は先輩に追いつくことはできても後輩に追いつかれないように努めなばならない。
12条     剣道者は何者に対しても親切であらねばならない。
            以上 修正案