老いのひとこと

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二週間振りに陶芸教室に参加し角型深鉢の乾き具合を恐るおそる伺い見ればやはり案の定あちこちにひび割れが生じているではありませんか。
いくら落胆していても仕様がない早速先生に善後策を授けていただきたいのだと泣き付いた次第です。
そもそも型枠に用いた木箱がよろしくなかったとおっしゃる。
収縮しようとする粘土の習性を考えれば木箱ではなく紙箱等を用いるべきであったとのご指摘をいただく。
成程ご尤もなご忠告をいただき何事も先々の先を見通す先見の眼の大切さを思い知らされた次第です。
 
些か飛躍しすぎるが、此の些細なる一件から真面目に学ぶべきは「終活」の何たるかにまで配慮をいたさねばならない事に気付かされたのです。
 
先生は補修の手順として先ずはカッターでひび割れ部分を抉り取られ割れ目に細い紐を入念に詰め込む形で進められてドベで修正しつつ最後は湿らせたガーゼ―を充てがって作業は終了した
てきぱきと手際よくしかも大胆なる縫合の為の大手術は成功を修め生命が甦ったも同然なのです。
あたかも、園児が先生の為す仕草に見惚れているのによく似ていました。
残りの小さな補修はあなた自身の手で実習してみなさいと先生はおっしゃる。
わたしは喜び勇んでまるで園児のように作業に取り掛かったのでした。
こまめに手際よくてきぱきとしかも慎重の上に大胆さを加え我を忘れ一心不乱に取り組んだのでした。
これほどの陶芸上の妙味はありませんでした。