老いのひとこと

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土曜講座の初稽古、いよいよ集大成の段階に差し掛かった。
 高校生諸君たちと共に新年のあいさつを交わし気持ちを新たにした。
 弓に伴う礼法と立ち居振る舞いを強調されながら入退場に重きを置いた最終段階に至りみな緊張した面立ちでした。
 弓の原点は全て小笠原流礼法にあろうけど同じ武道ながら剣居道の足運びは右足先導だが弓道だけは左の足が先に動くのも此の古式礼法に則るからなのだろうか。
 左弓ん手の攻めの気勢が左の足に乗り移っているのだろうか。
 弓道は只単に弓に矢を番いて射るという単純なる所作だけではない。
 此の講座で「会者定離」の哲理を学んだ。
 執り弓の姿勢で敷居を跨いで聖なる道場に足を踏み入れたその瞬間に於いて其処に座します弓神に出会ったのでありまして弓矢を射て再び神前に恭しく揖を為して確と退場すると同時に名実ともに真実の離が成り立つのではなかろうか。
最後の最後まで残心が伴わねばならない。
 こころの修錬の場「道場」への入退場にまで完璧度が要求され精神の充実に意を注ぐ弓道独自の持ち味が此処に在る。
 的を射抜くことも大事だろうけど何もかも全てを度外視し正しい息合いで弓神との対話を楽しみ弓の世界に暫し浸りきることが何より大事ではなかろうかという思いが愚鈍なる此のわたくしにも漸くにして適うようになりました。
 諸先生方に感謝申したい。