老いのひとこと

イメージ 1
 
 
希望の「希」の字について随分以前だがラジオで面白いことを聞いた。
なるほど、希の字を分解すれば乄と布となろう。
 布を乄(はさみ)で切って、その布を透かして物事を覗き見れば願い事が適えられるとそのようなことを語っていたような気がする。
 面白いけどよく理解できなかったのでいろいろ字引を引いて「希」の字源を辿ってみたのです。
 すると、乄が2つ重なって爻こう=まじわる=交わる、つまり糸が交わって布ができると云う意味になるらしい。
 その布は透かし織りの麻の布らしいのです。
 なるほど、透かし織りなので前のものが透けて見えることになる。
また、字引によれば「希」は「稀」に相通じ“数少ないまれなこと”の意味ともう一つ“のぞむ”とか“ねがう”と云う意味もあるのだという。
だから、透かし織りの麻の布の先に類い稀な数少ないとても良いことがきっとあるかも知れないと期待を込めて透かしみる。
そうすれば、希望とか希求とかいう漢字の意味に繋がることになるのです。
 
勿体ぶって何をこそ言いたいのかと申せば此の季節外れの不細工なる「すだれ」のような「よしず」のような得体知れぬ物体を通して下界を透かし見れば類い稀な幸運を手に入れることが適うかも知れないという事なのだ。
何んと手前勝手な御都合主義屋さんではありませんか。
アホ臭くて鼻持ちならん。
下らなくて何としても鈍臭い。
 
それでも此のわたしは此の得体知れぬ代物を持ち出して此のわたしの鈍臭い深鉢を簾越しにしげしげ眺むるにそれが立派な秀作に見え始めてくるではありませんか。
此の簾越しに人間界を眺め観察するのも面白いではないか。
類い稀なる数少ない幸運を観透せるかも知れません。
 
イメージ 2