老いのひとこと

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早春の淡い陽射しにさそわれて宛てもなくそぞろ歩く。


 高橋川の川沿いのコブシの蕾にはまだまだ息吹を感じ取るには早すぎた。


 立春は過ぎたとはいえ未だ風は冷たい。


 鶴来線の沿線沿いを行くととある郵便局の前に出た。


 ふと、前島密の1円切手を思い付いた。


 よーし、そうしようと中へ入りました。


 前島密さんを20枚


 2円切手の白ウサギは既に購入済みで手持ちあり


 3円の普通切手シマリス君を10枚


 5円のニホンザル君を10枚


 10円のトキさんを5枚


 20円の切手ニホンジカ君を5枚


 30円の普通切手キタキツネさんを5枚


 を買いました。


 〆て丁度400円でした。


 局長さんに前島密さんの製造コストをお聞きしましたが存じ上げてはいませんと返ってきました。


 おそらく、1円ではきかないでしょうねと笑みを湛えて申された。


 のんびり、ゆったりとした昼下がりでした。


 


 片隅で、絵てがみ展を催していました。


 こころ温まる秀作揃いでこころが和みました。


 気取らぬ挿し絵もよかったが何よりも横に添えてある飾らぬ素朴なつぶやきに感心しました。


 こころ洗われました。


 此の手習いのお師匠さんがお弟子さんにやさしく語り掛けている情景が目に浮かぶようでした。


 上手下手の見栄えよりもこころの籠もった自分だけの味わいを大切にこころにこやかにこころ穏やかにさあ制作に取り掛かりましょう。


 此のパネル越しからお師匠さんのそんな語り口が聞こえたような気がいたしました。


 わたし自身のからだの中にその余韻がいつまでも残った。