何時までも永らえられるはずでなしやがて間もなくして土に還ることでありましょう。
ハンドルを握ったまま動脈解離を来たさぬとも限らない、朝に紅顔であっても夕べには白骨と化することがあり得るのです。
陶芸を学ぶ以上イの一番に為すべき事はおのれの入るべきと壺と云おうか程よい広さの甕だと心得てもう既に双つも作ってある。
その折に淋しかろうと御供を司る御連れを作ってみることにした。
もう少し愛想の好い面構えなら良かったと思うのだがよく見れば結構純心そうで人の好さそうな律儀者にも見えるではないか。
その際には是非わたしの直ぐ近くに侍( はべ)らすことと相致したいのです。
頭に血が上って煮えたぎれば直ぐに冷やせるように冷水を載せている剽軽( ひょうきん)でユーモラスな気の利く自前の「埴輪 ( はにわ )」君ではありませんか。
鼻ぺちゃの団子鼻で真っ赤なお鼻の持ち主であればもっと好かったかも知れない。
でも、此の者と一緒ならとても心丈夫に出立( しゅったつ)できそうな気がする。