巌のような大男に木っ端どもがばらばらにぶち当たっても埒が明かぬ。
今になって漸くにして、やっとのことで野党共闘の結束が現実のものとなった。
東京から今回は上智大学の中野晃一先生が応援のために駈け付けてくださった。
先回の孫崎亨先生や小林節先生の時よりも大きな会場になる厚生年金会館が宛がわれほゞ満席という1300名の多くが馳せ参じた。
只単なる判官贔屓からだけではない。
今立ち上がらなくては100年後に悔いることに成ろうと弁士の誰かも叫んでいた。
先人たちが長享の土一揆で権力に立ち向かった実績を今こそ思い返さねばなるまい。
ふと前列に目をやると二人の若き女性が陣取る。
学生さんのように見受けるがまさか高校生ではあるまいに熱心に視聴している。
うち一人の子はレジメにノートをとる。
一面にぎっしりメモ書きが埋まる。
要点を走り書きしている。
まさに学習している。
レポートにしてあなたの友人たちに手渡してくださいとわたしは願った。
盛大なる拍手が止みやまなかった。
会場の外には黒塗りの巨大なる車両からボリュームいっぱいの罵声を劈かせる。
会場をぐるりと取り巻く威圧団体に日本国中の街宣車が集結したかのような錯覚に陥る。
内と外の温度差の落差に戦慄が走る。
暫し呆然と立ち竦む。