御先祖の御霊は皆一様であり軽重があるはずはなく決してあってはならぬ。
そんな思いを抱きながらもついついどうしても足は野田山の芝山の地へ向かってしまう。
御先祖の御霊に手を合わせ黙祷を捧げおもむろに我に返りふと足元に目をやれば芽吹き始めた大地から野の野草たちが飛び込むのです。
俗人に返ったわたしの目には野の野草たちが春の菜( な)に早変わりし旬の山の幸となって思わず摘み取り始めているのです。
日一日とたくましく成長する「ノアザミ」の新芽が大好物だ。
カラッとから揚げし鋭い棘の部分諸共頬張れば口の中で柔らかく蕩けるように馴染んでいくのです。
素晴らしい春の味の絶品になるのです。
今年初めて「ミヤマヨメナ」を試食した。
むかしの嫁いびりの名残のようです、ヨメナはとても美味しいので「ヨメには食わすナ」と云うたという。
癖のない上品な味で口当たりも柔らかく実に美味いではないか。
家内は御浸しにしたり胡麻和えしてくれた。
次回はアザミ同様天婦羅仕様に仕立てて貰うことにしよう。