老いのひとこと

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逆さま



軒下のゴーヤは二子を儲けた後、一週間待てども十日間待てども第三子が授からない。


花は付くが雄花ばかりで雌花がこない。


芯を止めて子蔓、孫蔓に期待を寄せるのだがなかなか三番目が授からない。


「生らぬなら生るまで待とうゴーヤかな」


二週間待ちわびて漸く宿ってくれたようだ。


雌花の先に雄花の象徴らしき可愛い物体が連なってぶら下がっているではないか。


いや、嬉しそうに逆さまになってぶら上がっている。


芽出度し愛でたし、時同じゆうして媒体役を務めたお仲人さんがお目見えです。


脚長蜂が一匹とてもご機嫌そうに羽根を鳴らしている