老いのひとこと

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次から次へと打ちあがる花火が夜空一面に炸裂し真っ赤に染まる。
そして、ほんの暫しの間を置いて音もなく消えてゆく。
命燃えつき消えてゆく。
幾千幾千万の生命の輝きが消えてゆく。
今地球に生存する数十億の生命体もことごとく此の花火のように必ずや消えてゆく。
無数の念仏合唱音がザワザワと微かな余韻を残して消えてゆく。
多少の長短があれど此の頭上の天体の感覚では無いに等しい。
幾ら長寿といえど左程の差異などあるはずがない。
それでも敬老の日を設けて祝うんだという。

皆それぞれ人としての一瞬の輝きを有して消えてゆくのだ。
どんな人も皆等しく光り輝くのだ。
才覚のあるなし地位のあるなし功績のあるなし権力のあるなし資財のあるなし、そんな俗っぽいものは花火を見る限り在るはずがない、在って堪るか。
深い想いが人皆等しく我が胸中に炸裂し消えてゆく。
深い感慨に慄き震えて人皆黙して語らず。
何故かしら人皆私語吐く者なく黙々と家路に就く。 

扇台を流る高橋川の川祭りを大阪の孫たちと共に大いに楽しんだ。