老いのひとこと

f:id:takaotm1101101:20191015065229j:plain

先日の事、カチンカチンと触れ歩くうちに

顔を出されたお方が「いつもご苦労さん、此れご褒美です」と五つ六つのナツメをポケットにねじ込まれる。

このようなご親切なお方は滅多といない。

感謝します有難うございます。

真実涙が出るくらい嬉しいではないか。

 

 

むかしを思い出した。

遠い昔に母方の叔父の家にあったナツメの木に登りよく遊んだ。

小枝の朿(とげ)よりもシナンタロウに刺される方が怖かった。

でも、その淡いほのかな甘みは今も昔も変わらない。

ほのかに甘い初恋の味がする。

遠いむかしを思い出しながら拍子木を打つ。

 

束(たば)ではない朿(とげ)が横並びに並んでも棘(とげ)、朿が上下に二つ重なって棗(なつめ)、なんて面白いのだろう。

 

確かに此の素朴な果実に茶器の棗の姿かたちがよく似ているのは確かだ。

果実の棗の命名の方が先なのだ。