徳川の血を引くものが豊臣一族の命を此の東慶寺を介して救ったことになろう。
そのお方が此のお寺の20代目の住職であられ天秀尼像としてお祀りされているらしいが残念ながら観ることが敵いませんでした。
夫からの理不尽な仕打ちに耐えかねた奥方は此の寺に三年間身を置けば縁切りが適ったのだという。
勅許も得たという幕府が公認する訴訟解決の制度が此の寺にあったことになる。
家内は何か言いたげな顔をしていたが多分むかしのことを思い返していたのでしょう。
そう云えば、もうわたしらとて五十年間の長い間柄になってしまいましたよ。
郷土が誇る偉大なる鈴木大拙先生の書斎を拝見したかったがやむなく割愛したのです。
とても印象に残ったのは岩壁にへばり付くように「岩たばこ」が群生していたことでしょう。
其れと境内のあちこちに世に咲く山野草やもろたの雑草類をいとも大切に培養なされていたことです。
客人が足を踏み入れないように柵で周りを囲う配慮が気に入ったのです。
自然を極限まで愛でる事はとてもこころ温まる風情ある光景に思えた。