古い話である。
そう云えば稽古始めの日には報道カメラマンが二人撮影に余念がなかった。
腕章もなく何処の報道機関かは分からなかった。
その翌日の事、とある人物よりわたしがテレビに映っていたとの知らせを受けた。。
成る程そうかと思いつつも殊更敢えてそれを見ようと思う気持ちにも至らず放置した。
放置したもののやはり少しばかりは気になる。
二日ほど経ってからテレビ金沢の担当者宛に当日収録された画像の極めて微小な一部分を開示して頂けないものかと願い出たのだが連れなくも断られてしまった。
著作物に関わる諸問題が懸念されるのでダメだという。
何のことだか能く判らなかったが諦めるしかない。
此の件に際しつくづく思い知らされた。
お前さんは自分の知られざることを憂えているではないか。
それではいけません。
何よりも先に自分に能無き事を憂えなさい。
所詮お前さんのような小者は小者のまま身を潜め消え失せるまでではありませんかとわたしは世間の声なき声から諭されたのです。