老いのひとこと

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        無断掲載

今日の教養講座は天台宗のお坊さんのお話でした。

ところが天台宗と云っても延暦寺最澄が開いた本来のものとは少し異なり室町時代に真盛上人が開いた分派としての天台真盛宗でありました。

聞き慣れない宗派で何せ仏教の教えには13の宗派が在り其れが56の分派に枝分かれするらしく仏とは縁遠きものにはやはり判る筈がないのです。

でも今日のお坊さんは易しく教え諭すように噛み砕いたお説教に終始なされた。

兎に角、お坊さんらしくないお坊さんで歴史の時代背景を忠実になぞらせて応仁の乱を契機に群雄が割拠し下克上の乱世が到来し其処に真盛上人が登壇し戒称二門を説くに至る其の経緯を大所高所より大局的包括的に時代を読み解きながら話されたのです。

戦乱の世に民衆を救わんと真盛上人が輩出した。

今の世も金権主義に翻弄される疑心暗鬼の世相ではなかろうかと暗に皮肉られたようにわたしには思えた。

極めて稀有なるお坊さんで在られた。

狭い宗教的な教義を捏ね回すお説教ではなかった。

今日はそんな珍しいお坊さんにお目に掛かれてくっきり目が覚め目から鱗でした。

 

蛇足ながら、明智光秀公ゆかりの大津坂本の西教寺は此の天台真盛宗の本山で在ることを後で知り得たのですが講話に際しては微塵たりとも触れられなかった。

とても奥ゆかしいお坊さんで在られたとは云えまいか。