散るさくら
残るさくらも
散るさくら
良寛さんの詠んだ句だという。
また斬首刑に処せられたという勤王の志士雲井龍雄の辞世の句でもある。
散る定めを背負うさくらだが淡々と誇らしげに咲きはじめたと思えばやがて淡々と散り逝く風情が何んと云ってもたまらない。
別れを惜しむかのように地上へ舞い立ちひらひらと落花の舞を演じながらやがて静かに音もなく舞い降りる。
処がどうしたことか今年は何かと異変がつづく。
花弁がひとひらひとひら舞い敷くはずの地上には花ごとお揃いでお目見えなのだ。
はては病害に冒されたかと樹上を暫し目を凝らすが何ら隣の樹とは変わりがない。
悪童たちが揺さぶったわけでなし不思議なことだと暫し首を傾げる。
温暖化が云々されるが今年は殊の外寒かったので異常気象でもなさそうだ。
或いはひょっとして森本・富樫活断層が地殻変動で地下水が煮えたぐったのかも知れないぞ。
まさかコロナ異変でウイルス感染を来たしたわけでもあるまいし、其の内誰かが教えてくれることだろう。
あっそうだ自然史資料館へ参ることにしよう。