老いのひとこと⑲

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三代藩主利常の生母寿福院は桜を好んだと云う。

利常は母を想いここ野田山の地に桜の木を幾本となく移植したという。

早春には全山がさくら色に染まるにはそんな経緯があった。

400年の長きに亘り年年歳歳咲き誇った。

兼六園以上と豪語しても決して過言ではない。

此の秘蔵の桜の名所をわたしに案内してくれたのが他でもない郷土史に造詣深きF氏に違いない。

其のF氏から意外なものがプレゼントされた。

何んと上溝桜(うわみぞざくら)の実生の若木ではありませんか。

近吾が実父清三郎と実母鉚を祀った墳墓の背後に巨大な守護樹が見下ろしていた。

一陣の突風が樹齢400年の巨樹上溝桜の老木をなぎ倒した。

其の倒木の一部を今以って温存する。

仏像を木彫するために温存する。

其の珍しく貴重なる上溝桜の若木を頂戴した。

幾百年の樹齢の格差を記念撮影。

DNAは合致しよう。