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耕作放棄同然の畑に散乱する支柱を借用に与からんと願い出たが無下に断られた。

意が通じなかったことは些かショックではあったが然もありなんと諦めるしかない。気を取り直しわたしは額谷の山に入り林道に転がる細竹を失敬しそれにて間に合わせました。

その二日後に畑の先輩格のO氏が突然来宅され堰を切って申されるには・・・

「たかはしさん、先方さんが大変大きな誤解からわたしに無礼を働いてしまったと平謝りに恐縮なされている」のだという。

どうか許して上げて下さいませんかとO氏までもがわたしに頭を下げれるのです。

再開するはずの息子は既に耕作意欲を失ったらしく遊んでいる農具の類はどうぞご自由にお使い下さいとおっしゃるのです。

おまけにお詫びのしるしにと菓子や飲み物を置いて行かれた。

固く辞退申したにも拘らず置いて行かれた。

わたしの言動がまるで生き物のように拡散し関係者に迷惑をかけたように思えて困惑したが他人様の善意が脈々と生きていた事実を知らされ殊の外嬉しかった。

此の美しい善意を素直に受け入れ支柱を遠慮なしに使わせて戴くことに致しました。