老いのひとこと㉑

f:id:takaotm1101101:20200618070231j:plain

f:id:takaotm1101101:20200618070317j:plain

先日、龍淵寺を伺った折に少々気になることがあってそれが心残りだ。

ご案内いただいた先代住職さんのお口から貴方がた同様この高源院殿を尋ねて来られた御方が昔にあったのだとおっしゃる。

奥方で津幡から参ったと聞いたは名前は失念したという。

その後は音沙汰なくもう彼此二三十年は経ちましょうと口惜しそうにおっしゃる。

此の高源院に纏わる前田一族の末裔が近在に生存するのかも知れないのです。

一抹の望みを託すに足るお話ではあったが極めて残念至極に思うのです。

 

もう一つ

此の高源院殿の御位牌に和紙に前田肇と墨書された紙片が糊付けされる。

此の前田肇は初代直玄(なおはる)から血をひく正当な後継者で前田家九代目の御当主に他ならない。

諸士系譜に基けば此の肇で以って前田直玄家の血統は断絶し途絶え去る。

此の糊付けされし前田肇の紙片は一体何を意味するのでしょうか。

先代住職も寺には過去を留める記録は一切ないのだと断言された。

肇は故あって始祖高源院を訪れ詫びを入れ挨拶に替えたのであろうか。

もう一つ

9代目肇の実父8代目前田直温(なおあつ)の実弟に当たる前田友三郎が此処龍淵寺を菩提寺と致す前田一族らしく位牌を一対安置した其の証の物体にもお目に掛かれた。

何かしら身近なお人のように思えてならなかった。            合掌

 

 

直玄の血をひく御人が此の世に現存するは概ね間違いはない。