癒しの花園のあるお宅のすぐ横に小路が通り其処は砂利道になっている。
ブロックの塀に寄り添うようにこぼれ花たちがひそかに咲き誇るのです。
名も知れぬ花たちの中にあって朝顔だけは馴染みが深い。
つるを絡ませる支えは何一つないので地べたに這うようにひれ伏して生きる。
極めてずこが低いおごり高ぶり媚びるそぶりもない。
実に健気にしとやかにそれで気丈夫に咲き誇る。
でも自然の摂理にはばまれて知らず知らずのうちに花の命を終えてゆく。
11月も末日のこと傘を差してよぎれば
微かに花の気配あり、しゃがみ込んで覗えば草葉の陰に目立たぬ風情で生き延びる一輪の朝顔に気付きけり。
半開きのまま寒気に耐えながらも懸命におのれの命を謳歌する。
立派名だなあと甚く感心する。
さすが師走と共に咲くのをためらったらしくはたと止んだ。