老いのひとこと㉛

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加賀藩の要人たちの動静に限らず藩内の些細な事象をも含めた出来事を細大漏らさず「政鄰記」には記述される。

だから著者津田正隣と漢学者五十川剛伯との直接の繋がりはどうもなさそうだ。

宛がわれた教材に見る字体の筆跡は津田正隣本人の運筆によるものか講師の先生に確認を執ったが諸説があって断定は出来ぬがわたくしが見る限り直筆ではなかろうかと語ってくれた。

即ち原本から写し取った字体と相成ればわたしにすれば殊の外感無量だ。

原寸大の原本は玉川へ行けば確認できますよ教えてくださった。

政鄰記の写本や版本が何部ほど此の世に出回っているかは玉川で聞きなさいと言う。

ただ今日の講義の中で津田正隣と斯波蕃との続柄を曾孫と解説なされたがそれは飽くまでも血縁のない養子縁組で形成されたひ孫関係になろう。

即ち正隣の実子が修理正直

修理正直の養子が内蔵助正行

内蔵助正行の養子が津田正邦こと斯波蕃となり確かに正隣から見れば斯波蕃はひ孫になるが血の繋がりは極めて薄いことになる。