無断掲載
随分と気を揉まされたがトランプからバイデンへ平和的に権力が移譲されてよかった。
晴れ上がった青空を仰ぎ見るような感動を覚えた。
その日のシンボルカラーは決して青一色ではなく青と赤の融け合った紫色でもあった。
あの二週間前の惨劇を忘れ去ったかのように表向きには何事もなかったのように見事に繕った祭典挙行はさすがアメリカ合衆国が為せるわざだ。
アイルランド系カトリック教徒のバイデンは我が家に古くから伝わる格式ある聖書に宣誓したのだという。
ほんの寸前まで時の人であったトランプは
ゲルマン系アングロサクソン民族の血をひくプロテスタント(WASP)であるらしい。
彼は16代リンカーン大統領の聖書を借用したのだという。
何れにしてもイギリス本国から移住した白人同士で在り新教徒と旧教徒の違いこそあれ根っ子は同じ敬虔なるクリスチャン同士なのである。
確かに「分断」を呼び込む要因が国内には潜んでいるかも知れぬが共に誓った聖書に因んで是非「結束」の絆の道が切り開かれていくことを祈りたい。
ただ「結束」在るのみ、バイデン大統領の「結束」の呼びかけの余韻が響きわたるなか次に登壇した驚くべき若き詩人アマンダ・ゴーマンは今日の日の為に創った長編の詩を格調高く晴れやかに謳い上げた。
「分断」を立て直し仲直りし「結束」を回復しようと全身で訴え切々と口遊んだ。
必ずやトランプを支持する赤色に滲んだ人たちのなかにも此の声が染み込んでいくことを願うと同時にそう信じたい。
偉大なるアメリカ合衆国がそこにあった。
何よりも羨ましく思った。