老いのひとこと(53)

津田本家の7代津田和三郎近知には子がなく成瀬家から近三なる人物が和三郎近知の元へ婿養子として入った。

養子津田近三は養父和三郎の娘を娶り津田外喜雄と津田饒(ゆたか)の二子を儲けた。

つまりは此の外喜雄並びに饒の両名は少なくとも此のわたくしとは極めて遠縁ながらも血の繋がりが生ずることと相成る。

 

此の遠縁のご両人の存否を尋ねることは此のわたしの使命であろう。

此のわたし以外誰が其れを為し得ましょう事か。

 

金沢市役所の市民課戸籍係へ照会状を差し出した。

公僕の勤めとして誠意ある返答在らんことをひたすら願い居る次第だ。