老いのひとこと

大々的な農薬散布の所為か家蚊が意外といない網戸の効もあって助かる事である。

但し藪の中に潜むアイツだけは敵わない蚊取り線香を腰に巻き付けねばなりません。

ある夜のこと居間の電燈を消してPCの前で仕事をすれば蚊ならぬ大型昆虫がわが剃髪が気に入ったのか頭のテッペンにしがみ付く。

ケショクの好いものではない、恐る恐る手で激しく追い払う。

別段、異臭が襲い来るわけでもないのでそのままにし、暫し後に居間に移りくつろげば余程気に入ったのか先ほどのヤツが再度我が頭上に軟着陸し確としがみ付くではないか。

包容力乏しき此のわたし先にも増して激しく追い払えば足元に居る。

ヤッコさん、身の危険を感じて這う這うの体で逃げ去るはずなのにえらくスローモーだが此れカメムシに違いなかろうととうとう薬殺してしまった。

壁を攀じ登り息絶えたのを翌朝観察いたせば悪いことにカナブンかコガネムシの類であの恐るべき屁糞虫ではなかった。

薄情なことをしてしまった歳に免じて許し給え。